知恵の経営

第67回

変化をチャンスに!

アタックスグループ 2016年4月27日
 
 大手銀行系シンクタンク主催の経営トップセミナーで、早稲田大学ビジネススクールの内田和成教授による「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」という講演を聞く機会があった。世の中が変化して、企業の市場における闘い方も変わっている。こうした環境で新規市場に参入する企業を「ゲーム・チェンジャー」と表現し、その市場創造・市場参入を4つに分けて解説した。「製品・サービス」と「もうけの仕組み」についてそれぞれ「既存」と「新規」がある。

 既存の製品・サービスと既存のもうけの仕組みの分野では、ゲーム・チェンジャーの闘い方はプロセス改革型。代表例はセブン-イレブン・ジャパンの「セブンカフェ」で、客はできたてのコーヒーを1杯100円で買い、セルフサービスのためセブン側は手間がかからない。

 既存の製品・サービスと新規のもうけの仕組みでは、秩序破壊型。代表例はスマホゲーム。多くのゲームメーカーの成功の陰で敗者となったのが任天堂だ。米国初の民泊仲介事業エアビーアンドビーやインターネット配車サービスのウーバーもこの分野の成功例である。

 新規の製品・サービスと既存のもうけの仕組みの分野では、市場創造型。例としてジェイアイエヌの、ディスプレーの青色光をカットするメガネ「JINS PC」を挙げた。

 新規の製品・サービスと新規のもうけの仕組みでは、ビジネス創造型。コインパーキングのパーク24を実例に挙げた。カーシェアリングなどもこの型であると思う。

 ゲーム・チェンジャーの戦略が成功するには、3つの要素が必要という。1つ目は技術変化(革新)。2つ目が家族構成の減少などの社会構造変化。1、2人世帯が60%を占め、1、2人用冷蔵庫で高付加価値商品を開発すればヒットするのではないかと指摘していた。3つ目が心理的な変化。紙おむつの抵抗感がなくなり布おむつに代わって普及した例を挙げた。「技術変化・社会構造変化・心理的変化の3つが整ったところで業界ルールを変えるゲーム・チェンジャーの戦略が成功する」(内田教授)と結論づけ、挑戦を受ける既存企業の防衛戦略も言及していた。

 筆者は講演から3つのことを考えた。第1に現在は変化が常態化し、ますます加速していること。変化に乗り遅れてはいけない。チャンスと捉えるべきだ。第2に他社との違いを鮮明にして自社の勝ちパターンを創る必要がある。最後は企業の目的は顧客の創造でありイノベーションとマーケティングが顧客創造につながるというドラッカーの言葉だ。

 経営者はこの3つを意識し、実行は20~30代の若手に思い切って任せることである。
<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2016年4月27日 「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

コラム 知恵の経営

同じカテゴリのコラム

コラム検索
新聞社が教える SPECIAL CONTENTS
プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。