知恵の経営

第32回

子供に親の働く姿を見せる

アタックスグループ 2015年8月12日
 

 視察を受け入れる企業が数多くある。目的は商品・技術のPR、新たな顧客獲得・販路開拓、地域社会・地域住民への社会貢献-とさまざま。なかでも社員の家族向けに視察会を開く企業が増えてきているようだ。

 先日、訪れた長野県の会社も「家族交流会・会社参観日」を行っていた。もともと2003年から毎年1回、全社員が家族に感謝の気持ちを込めてお礼をする「家族交流会」を開いていた。さらに発展させて13年に始めたのが「会社参観日」だ。

 同社は製造業で祝日が稼働日になることがよくあり、社員は家族サービスを犠牲にしなければならない。そこで参観日は、社員の子供だけでなく、親にも働いている姿を見てもらおうという趣旨で始まった。

 同社を承継した現社長も子供の頃から会社を遊び場にしていて、先代社長の父親が働く姿を間近で見てきた。そんな経験から子供たちに、親の働く姿を見せてあげる機会をつくりたいと考えるようになった。

 参観日は、まず工場で実際に社員が働いている姿を見学してもらう。普段どんな場所でどんな仕事をしているかを家族に見てもらえば自然と社員への尊敬・感謝の気持ちが生まれる。

 現社長は参観日をきっかけに社員の家族が一つにまとまり、同社で働くことに誇りと安心感が生まれれば社員満足につながるに違いないと考えている。

 参観日に行われる懇親会は、参加した家族を紹介するなど、和気藹々(あいあい)とした雰囲気のなかで開かれる。参加した子供たちが親の働く姿を見て感動・尊敬し「お父さん、お母さんって、すごい!」と言ってくれることで、多くの社員は胸を熱くし、モチベーションが高まるという。

 一方、岐阜県のある企業も夏休み中に子供見学会を行っている。目的は前述の企業と同様、親の働く姿を見る機会がなくなり、親への尊敬・感謝の気持ちが希薄になっていることへの危惧からだった。

 親が働いている現場を見てもらうとともに、上司、同僚、後輩から、父親・母親がいかにすごいことをしているか話してもらう。子供たちは自分が褒められているかのようにうれしくなって、親を尊敬するようになり「大きくなったら、あの会社に入って、お父さん・お母さんみたいになりたい」と感想を述べる子供も多くいるという。

 働く社員はもちろん、子供たちも喜ぶ会社参観日。その効果は社員満足につながるなど絶大なものがある。まだ、実施していない企業は、検討してみてはいかがだろうか。

<執筆>

アタックス研究員・坂本洋介

2015年8月12日「フジサンケイビジネスアイ」掲載



 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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