知恵の経営

第16回

お多福グループ社風に学ぶ

アタックスグループ 2015年4月22日
 

 先頃、社会人大学院生ら約30人と一緒に「オタフクホールディングス」(広島市西区)という中堅企業を訪問した。傘下の「オタフクソース」は「お好みフーズ」「お多福醸造」「ユニオンソース」などからなる「お多福グループ」の中核的企業で、お好みソース、焼きそばソース、たこ焼きソースなど、さまざまなソースやたれの製造販売をする全国有数の企業である。

 業績もすこぶる順調で、例えば売上高の推移を見ても過去20年間、ほぼ右肩上がり、この10年間で見ても、グループの売上高は、177億円から224億円と快進撃である。そればかりか、社員の数も既に20年以上、順調に増加しており、この10年間で見ても402人から572人に増員している。まさに今わが国が最も必要としている地域活性化貢献企業といえる。

 多くの企業が、この間、好・不況や円高・円安といった環境変化に一喜一憂していたが、オタフクソースは「問題は外…」という環境依存型企業とは異なり、まさに自らの力で、景気を創造してきたのである。同社のこの間の快進撃の要因は多々あるが、2点に絞り紹介する。

 第1点は、創業以来、本物志向の新商品開発に愚直一途に注力してきたからといえる。

 創業は1938年だが、この約80年間、下請け型経営を嫌い、新商品開発にあくなき挑戦をし続けてきた。事実、お多福グループは創業当初、酢のメーカーとしてスタートしているが、食の洋風化・多様化・本物化を見越すとともに、顧客のニーズとウォンツに常に真摯(しんし)に耳を傾け、次から次と新商品を創造し、世に提案している。

 加えて言えば、単に売れればいいという商品ではなく常に「身体に悪いもの、安全・安心が疑わしきものは一切創らない・売らない…」という信念で、本物にこだわる新商品開発に尽力してきた。

 こうした努力の結果、これまでに創造提案した独自商品で、現在も販売されている商品アイテム数はなんと2336点、年間新商品開発アイテムだけでも174点に及ぶ。

 第2点は、業績重視ではなく、社員の成長重視・幸せ重視の経営の徹底である。

 このことは同グループの経営理念・企業理念を見ればよくわかる。

 同グループが高らかに掲げる「私たちの誓い」には「お客様への誓い」「社員への誓い」お取引先への誓い」「地域社会への誓い」そして「地球環境への誓い」の5つの誓いが明文化されている。「社員への誓い」の内容は「社員が生き生きと働くために環境整備と人財育成を推進する…」と社員への約束を明記している。

 しかも、単に明記してあるだけでなく、そのために実践されている「家族だんらんを応援する制度」や「仕事と子育ての両立を支援する制度」などを見ても、その制度に魂が入っており、同グループの本気度がわかる。こうした社員の幸せ重視の経営姿勢が上述した活発な新商品開発につながっていることは容易に想像できる。

<執筆>

法制大学大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

2015年4月22日「フジサンケイビジネスアイ」掲載

 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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