知恵の経営

第112回

働きがいのある会社づくり

アタックスグループ 2017年4月10日
 
働く人々のワークライフバランスと生産性向上を目指す「働き方改革」が進む中で、調査リポート「働きがいのある会社ランキング」に注目している。もともと米調査会社Great Place To Work Institute(GPTW)が始め、日本でもGPTWジャパン(東京都品川区)が毎年結果を発表している。

GPTWが主張する「働きがいのある職場」は社員を中心に(1)マネジメント層(職場の上司)(2)仕事(3)職場の同僚という3つ関係によって構成される。

(1)の上司と社員の関係性のキーワードは「信頼」だ。信頼できる上司の下で働くことで働きがいを実感できる。信頼をブレークダウンすると、上司を「尊敬」できる、どの社員にも「公正」である、行き詰まったときには「支援」してくれる-という3項目に分解できる。加えて結果や成果を上司が承認することでさらに信頼は高まる。

(2)の仕事と社員の関係性のキーワードは「誇り」だ。自分の仕事に誇りを持つことが働きがいにつながる。ドラッカーの著書の一つに「経営者に贈る5つの質問」がある。1~3番目は社員の誇りに直結する。1番目の質問は「ミッションは何か」、2番目は「顧客は誰か」、3番目は「顧客にとっての価値は何か」だ。経営者はこの3問に対して明確な答えを出し、社員に伝え、日常の言動において矛盾なく実践することで社員は仕事に誇りを持てる。

(3)の社員同士の関係性のキーワードは「連帯感」だ。仕事の多くはチームで遂行される。周りの人に迷惑を掛けないよう責任を持って仕事をするが、困ったときはお互いさまという意識で助け合い、支え合うことが連帯感の醸成につながる。

筆者はトヨタ系大手企業の社外役員を長年務めているが、職場の連帯感がきわめて強い。2001年に全世界のトヨタ社員に発信された「トヨタウェイ」では組織のあり方を「人間性尊重」と「チームワーク」という2つの言葉で表した。この2つが単なるお題目ではなく実践されていると感じることが多い。

人口減少社会で働き手がどんどん減る時代、求人活動は最重要課題となった。人事部門に人材を配し、組織的・計画的に活動している上場会社ですら採用が難しい。

知名度の低い中堅中小企業は経営者や後継者が自ら先頭に立って求人しなければならない。そのためには働きがいのある会社にすると同時に、自社流の働き方改革を階段的に実施することで魅力を高め、採用をしないと経営の継続は難しい。経営者や後継者は、ドラッカーの5つの質問に回答を出し、働きがいのある会社を理想に掲げて働き方改革を一歩一歩進め、人材が集まる会社作りと採用活動に注力されることを期待したい。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭

2017年4月10日フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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